【徹底比較】TPE VS シリコーン、月経カップの素材はどっちが良いの?【マニアの妖子】

こんばんは、妖子です!


「シリコーン製とTPE製、月経カップの素材は2種類あるみたいだけれど、どっちが良いんだろう?」


そんな疑問にお答えするのが、本日の記事でございます。


どちらかしか持っていなくて気になっている人や、これからデビューを考えていて迷っている人など、参考にして頂ければ幸いです。


本日のお品書きは、「一般的に言われている違い」と、「妖子が実際に使ってみて感じたこと」の2本立てでお送りします。


なお、馴染みがない人が多いであろうTPEに比重を置いております。


それでは、今日も元気に行こう!


内容に間違いや、補足説明などありましたら、お手数ですがご連絡頂けますと幸いです。
匿名フォームはこちら

当記事には、アフィリエイトの商品を含みます。
★関連動画はこちら★



月経カップの素材
TPE VS シリコーン

  1. 導入
  2. TPEとシリコーンってなに?
  3. 違い1 価格
  4. 違い2 耐久性
  5. 違い3 熱に敏感
  6. 違い4 変形性
  7. 違い5 安全面
  8. レビュー1 肌触り
  9. レビュー2 耐久性
  10. レビュー3 熱で柔らかくなるメルーナ
  11. レビュー4 変形するメルーナ
  12. レビュー5 固さおよび弾力性
  13. ノックオフのシリコーン
  14. メルーナ以外のTPE製のカップ
  15. まとめ

導入

のっけから結論!「TPEとシリコーンどちらが良いか」は・・・


「皆さんの好みによる」になります。


特にこだわりがなければ、素材はカップ選びにおいて、優先順位は高くないです。


カップで重要なのはサイズですから、サイズチェックが済んで、いくつかのカップで迷った時の比較材料にするのがベターかと思います。


ただし・・・


もし、どちらを推すかを個人的に問われれば、


私はシリコーン製と答えます


2022秋の日本市場で、TPE製はメルーナ(メルーナが作っているソフィも)という月経カップのみです。これから詳しく説明しますが、


このメルーナは比較的、体との相性が出やすいようです。


前提として、当記事では、日本市場のオリジナルカップを中心に話を進めますので、


・TPE製ーーーーーメルーナとソフィ
・シリコーン製ーーその他のブランド


ということを頭に入れておいてくださいね。


そして、この記事では、「TPE製のカップ = メルーナ」と脳内変換して頂いても大丈夫です。


他のTPE製のカップについては、最後の目次にて解説します。



TPEとシリコーンってなに?

比較やレビューに入る前に、TPEとシリコーンの一般的な違いを簡単に学習しておきましょう。


シリコーンは、事務用品や食器、調理器具、おもちゃなど、日常生活のあらゆる場面で目にする素材かと思います。


皆さんのご家庭にも、シリコーン製の商品がゴロゴロしているのではないでしょうか?


そんなありふれたシリコーン製品ですから、シリコーン製の月経カップの肌ざわりや質感は、簡単に想像が出来ると思います。


そんなシリコーンは、ケイ素から作られています。酸素とケイ素が結びついた「ケイ石」という石に、様々な化学反応を加えてシリコーンができます。


耐熱性、耐久性、弾力性など、あらゆる面で優れているので、シリコーンがいろいろな商品に使われるのは納得ですよね。


なお、化学的には、シリコンは元素、シリコーンはシリコンを生成した化合物のことで別物です。


「シリコン」と言っている月経カップ関連のサイトは、勉強不足かもしれないので、要チェック!!


一方で、TPEとは何でしょう?


月経カップのことを調べていて「はじめて聞いた」という人もいるかもしれません。


TPEは日本語で「熱可塑性エラストマー」と呼ばれており、簡単に言うと


「半分プラスチックで、半分ゴムのような素材」のことです。


もう少し詳しく解説すると、「ゴムのように柔らかく、プラスチック素材のように高温で変形する」のです。


TPE製の商品をgoogleで検索すると、ヨガマットやラブドールがヒットします。


妖子の独自調べですが、月経カップに関しては、TPEのメリットの恩恵を受けられるのは、消費者よりも製造者にあると思っています。


シリコーンと比べた時に、リサイクルが出来たり、加工や着色が簡単だったり、製造コストが安価だったりします。


なお、TPEとシリコーンの違いに関しては、ラブドールの下記のサイトも詳しかったです。記事の内容は、素材の比較に徹底していますが、ラブドール自体は18禁アイテムですのでご注意を


そして、「柔らかい」の定義が、ラブドールと月経カップでは異なるように感じたので、全てが月経カップに当てはまるわけではありません。それでも、とても興味深く読ませてもらいました。


妖子に負けないマニア勢の人は読んでみてください。





以上、基本事項を予習したところで、次にいきましょう!

違い1 価格

メルーナと他のオリジナルカップを比べてみれば一目瞭然。メルーナは輸入ブランドであるにも関わらず、3,000円台で購入できます(色やサイズによってバラツキあり)。


TPE製月経カップ価格比較_月経カップ情報サイトCupsWithYou

2021年時点の情報です。時が経つと一部ブランドで価格が変わります。


基本情報でもお伝えした通り、TPEの製造コストはシリコーンに比べて安価です。


メルーナの生まれ故郷ドイツでは、店頭で2,000円前後の価格で売られていることから、日本でも頑張れば、もう少し安くなりそうです。


そんな未来が来ることを想像すると、ニヤニヤしちゃいますね♪


ちなみに、メルーナが作っているソフィは、ブランド力とOEM料金が加わっているからか、メルーナよりもお高くなっています。


メルーナの価格をチェックしよう

月経カップ_メルーナカラー


違い2 耐久性

一般的には、シリコーンの方が長持ちすると言われています。


また、シリコーン / TPEに関わらず、潤滑剤や石鹸など、間違ったアイテムを使っていると、カップの劣化が一気に加速しますので、ご注意ください。


月経カップの一番の天敵は
「オイル」



下の画像で向かって右の黒い月経カップは、潤滑剤の代わりにココナッツオイルを使っていたユーザーの


元:メルーナ紫です。


ココナッツオイルのせいで、ダークサイドに落ちてしまったようです(=黒く変色)。


メルーナ変色_月経カップ情報サイトCupsWithYou
メルーナUSAの公式YouTubeからスクショ






違い3 熱に敏感

TPEはシリコーンに比べて、熱に敏感です。言い方を変えると、熱によって柔らかくなります


この性質は、月経カップの使い勝手を語る上で、見過ごせない特徴であり、一方で、リサイクルが出来るというTPEのメリットにも直結しています。


また、「TPEの月経カップの煮沸はメーカーが定めている時間を厳守しましょう。やりすぎ注意!」と注意喚起しているのは、こうした熱に弱い性質があるためです。


メルーナナチュラル_月経カップ情報サイトCupsWithYou
TPEのリサイクル製を利用したメルーナナチュラル

違い4 変形性

先に説明した「熱に敏感」な性質と密接な関わりがあります。


変形性に関しては、参考にしたサイトから引用します。


一般の架橋ゴムと比較して、ゴムらしさが不足気味で、永久ひずみが大きく、温度上昇による物性の低下が急激に進み、高温化では、塑性変形を起こしてしまいます。熱可塑性エラストマー(TPE)を利用する場合は、各製品の特徴を十分よく把握した上で使用することが大切です。



「塑性変形」というのは、簡単に言うと、「変形した物体が元の形に戻らないこと」を言います。


TPEにおいて、塑性変形が起きるのは高温時なので、常温で利用する月経カップでは問題ないように思えますが、100度の熱湯で煮沸をする以上、特性として知っておいても損はなさそうですね。



一言にTPE / シリコーンと言っても、たくさんの種類があります。その種類によって、耐えられる温度、いわゆる「耐熱温度」も変わってくるそうです。

違い4 安全面

TPEはシリコーンに比べて黄色ブドウ球菌がつきにくいというレポートがあります。


これは、月経カップやタンポンが原因の疾患の中で、もっとも致命的であるTSSの予防に直結してきます。


TSSの原因は、黄色ブドウ球菌が発する毒素なので、黄色ブドウ球菌そのものの数を減らせば、TSS発症のリスクも軽減できる、という理屈です。


ただ、TSSそのものがレアな病気なので、そこまで気にする必要はない、というのが個人的な感覚ですが、「念には念を!」という人には、おすすめしたい素材です。


TPEVSシリコーン01_月経カップ情報サイトCupsWithYou

レビュー1 肌触り

TPE製のカップは、素材そのものが固く、ものすごくマットな質感です。


それに比べて、シリコーンは弾力性があります。


ただ、質感はツルツルだったり、すべすべだったり、ペタペタだったり、シリコーン製はブランド数が多い分、質感もブランドによって異なります。


個人的には、膣口を通過する時の不快感が少ないので、ツルツルのシリコーン製がお気に入りです。ただ、マットであっても、膣に入ってしまった後は、全く気になりません。



私が出会ったTPE製の月経カップがマットなだけで、一般的にはツルツルなTPE製の商品も存在します。TPE製でツルツルの月経カップもどこかにあるのかもしれません。

レビュー2 耐久性

一般的にシリコーンの方が長持ちするそうですが、メルーナを10年近く使っている人もいますので、使い方によるのは間違いないようです。


ただ、ユーザーさんのレビューや、私自身の体験から、匂ってくる時期や経血による着色は、メルーナの方が早いという事実があります。


そして、私のメルーナは、購入早々に傷がつきました。


メルーナの傷_月経カップ情報サイトCupsWithYou
空気穴の真上。リムにくっきり傷が・・・



いつ、どこで、負った傷なのか全くわからず、これがTPE製だったからなのか、たまたま傷がついたカップがTPE製だったのかは、永遠の謎です。


しかしその後、「自分のメルーナの同じところにも同じ傷がついた!」という視聴者さんが現れました!これは、果たして偶然なのでしょうか・・・・。


さらに、先にシェアしたラブドールの記事でも、TPE製の方が『もろい』という記載があったので、どうやら耐久性はシリコーンの方が強そうです。


確かに、マットな感触は、シリコーンの感触に比べると、簡単に傷がついてしまいそうな印象はあります。いずれの場合も、丁寧に扱ってあげるのが月経カップのためですね。



【妖子の体験】
メルーナは1年未満でリムにキズができ、同じくTPE製のHello Cupは、半年でカップのお尻に痛みが出てきました。helloは使用に差支えありませんが、メルーナはリムにキズができやすいため、人によっては気になるかもしれません。

レビュー3 熱で柔らかくなるメルーナ

メルーナの挿入に戸惑っていると、なんとな~くカップが柔らかくなった感覚を覚えるかもしれません。


それは、錯覚ではなく、実際に柔らかくなっています。


熱に敏感なメルーナは、膣の中の温度や、指の温度でも多少柔らかくなります。


挿入の段階でカップが柔らかくなると、膣口に触れる感触がやさしくなる一方で、膣の中で開きにくくなるというデメリットがあります。


私は、膣の中で開きにくくなる特性を体感しているので、メルーナを使う時は、すばやく装着することを意識しています。

レビュー4 変形するメルーナ

膣の中では、膣の形に合わせてカップが変形します。


メルーナを取り出した時に、楕円形になっているのがその証拠です(膣はまん丸ではなく、多くの人が楕円形です)。


この特性にもメリットとデメリットがあります。


「体なじみが良く、フィット感が良い!」というユーザーと、


「カップが膣の形になじむのが裏目に出てしまい漏れやすい」


というユーザーがいます。


私が個別に受けてきた相談の中でも、メルーナによる原因不明の漏れが確認出来ており、同じサイズのシリコーン製にしたら、漏れなくなったという人もいます。


TPE製のカップは膣の形に合わせる。シリコーン製のカップは、膣がカップの形に合わせる。


というイメージが、わかりやすいかもしれません。


シリコーン製は、押されれば潰れますが、変形したまま形状を維持することはありません。膣から取り出しても、メルーナのように楕円形になることはなく、取り出した瞬間にまん丸に戻るはずです。


なおメルーナに限らず、シリコーン製でも
個性的なカップは相性が出やすい傾向があります。



ちなみに、私はメルーナで漏れたことはありません。Amazonのレビューなどを見ていても、メルーナと相性が合わないのは、本当に一部の人のようです。

レビュー5 固さおよび弾力性

月経カップの固さには、2種類あると考えています。


ひとつは「素材そのものの固さ」


もうひとつは「弾力性」、言い換えると、「元に戻ろうとする力」です。


プラスチックとゴムの固さを比較した時に、プラスチックの方が固いのはイメージが付きやすいですよね。これが「素材そのものの固さ」。


固さが同じゴムでも、弾力が強く折り曲げるのに苦労するAと、比較的簡単に折り曲げることが出来るBだったら、Aの方が固いと感じるはずです。これが「元に戻ろうとする力(弾力性)」です。


TPEのカップは「素材そのものは固いけれど、弾力性は弱い」と感じます。


記事の序盤で「TPEはゴムの柔軟性と、プラスチック素材のように高温で変形する特性を持つ」と書きましたが、


「プラスチックにしては柔らかいけれど、ゴムにしては固い」という表現が、個人的にはしっくり来ます。


そして、元に戻ろうとする力が弱いので、挿入の時に折ったカップをホールドしやすい/コントロールしやすいのはTPE製のカップだと感じますが、膣内に入れてから開きにくいという側面もあります。


開きやすさは個人差が大きいポイントですが、「TPE製のカップを開かすためには工夫が必要」と事前に心の準備をしておくと、スムーズかもしれません。


また、レビュー4の「変形性」に加えて、この「弾力のなさ」も漏れの原因になっている気がします。


“姿勢を変えるとドバッと漏れる”という人の話を聞いていると、「弾力がないせいで、カップが体の動きについていけないのかも」と思うことがあります。


月経カップを選ぶ時に、「直径」は非常に大きなポイントですが、TPE製のカップの場合は、さらに重要度が増すかもしれません。


弾力のなさを直径でカバー出来る可能性があるからです。


このあたりは、現在も検証中です。



変形性や弾力性の違いを視覚的に確認しよう!




TPEVSシリコーン02_月経カップ情報サイトCupsWithYou

ノックオフのシリコーン




ここではオマケ事項として、ノックオフのシリコーンについてお話しします(TPE製のノックオフは見たことがない)。



そもそも、製造元も販売元も不明な月経カップは、


どんなシリコーンを使っているかはもちろん、製造行程や管理体勢などすべてが謎です。


一般的な月経カップは、医療用シリコーン100%で作られていますが、こうしたカップは、医療用シリコーン:工業用シリコーン=9:1などの可能性もあります。


ちなみに、私の買ったノックオフは、


すぐに破れてしまいそうな粗悪品でした。


参考動画はこちら


また、別のユーザーさんの話では、時間が経つと「石油臭くなる」ノックオフもあるそうです。


人体への影響が未知数ですので、ノックオフの月経カップはオススメしません。

メルーナ以外のTPE製のカップ

TPE製のカップはメルーナだけではありません。日本市場にはないだけで、海外市場には存在します。


当コミュニティでも、よく話題になるHello Cupはその一つです。


Helloを取り出した時は、やはり、楕円形になっていますし、弾力性も弱いです。ただ、リムが厚くて、固いので、装着中の安定感があります。


メルーナは、TPEの特徴である変形性や弾力性のなさがデメリットになりやすい印象でしたが、Helloはこうした弱いポイントを構造でカバーしている気がします。


メルーナの発売は2009年、Helloは2017年ですから、Helloがメルーナを十分に研究して生まれたカップだとしたら、とても納得です。


メルーナ VS Helloカップの比較動画は、近々アップ予定です。お楽しみに♪


HelloCupの詳細はこちら

★公式サイト★
こちらから

まとめ

超ざっくりまとめてみましょう


●シリコーン
耐久性・耐熱性に優れ、弾力性がある。価格が高め。
※価格や開きやすさ、相性はブランドによります。

●TPE(メルーナ)
弾力性が弱いため、カップを折った時が楽。お値段お手頃。膣の中で開きにくい。一部の人で漏れがある。



TPE VS シリコーン いかがでしたか?


月経カップは、とても奥が深いアイテムです。


膣の中は見えないので、何が起きているかわからないという事実も、奥深さに拍車をかけています。


でも、月経カップの形や感触は、五感で捉えることができます。


そのカップに合わせた使い方をすることで、トラブルが解消されたり、ワンランク上の月経カップライフを堪能出来たりします。


2個目以降の月経カップが欲しいと思っている皆さん、今度は是非材質も考慮してみてください。きっとますます楽しくなると思います♪