【徹底解説】TSS VS 月経カップ 本当に安全なの?使うのやめた方が良い?正しく知ろう!【マニアの妖子】
こんばんは、妖子です。
タンポンや月経カップなど、膣内挿入タイプの生理用品で注意したいのが
トキシック・ショック・
シンドローム、
通称TSS。
取り扱い説明書やパッケージには、必ず記載があるTSSはどんな病気で、どんなことに注意する必要があるのでしょうか?
今日は、いざという時のために、知識をブラッシュアップしておきましょう!
それでは今日も元気にいこう!
当記事は、医師が執筆した内容ではありません。
文献や病院のサイトを参考にまとめていますが、間違いなどお気づきの点がございましたらご連絡ください。
また、月経カップの装着時間に関しては、情報が少なく、憶測も含まれますことご了承ください。
【匿名フォームはこちら】
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TSSの基本情報
TSSは「黄色ブドウ球菌」という細菌の一部が、毒素を作り出すことで起こる病気です。黄色ブドウ球菌は、普段から多くの人の体内に存在するありふれた菌で、増殖する時だけ、毒素を発生させます。
その毒素が人体に取り込まれるメカニズムは、いまだに解明されていませんが、思春期以降につくられる抗体(細菌と直接戦う物質)のおかげで、
体内で毒素が産出されても、全員がTSSになるわけでありません。
それでも、一部の不運な人に発症するのは事実で、
生理が原因で発症するTSSを
「月経性TSS」、
生理が関連しないTSS(火傷や出産、手術など)を
「非月経性TSS」と呼び、
発症率は、それぞれ全体の約半分ずつと言われています。
TSSは、生理用品以外でも、発症の可能性があることは覚えておきましょう。
ですが、
発生率 / 致死率は非常に低いため、過度に恐れる必要はありません。
臓器不全、四肢切断や死亡などの、重篤な結果を招くケースの多くは、
診断の遅れが原因と言われています。
よって、膣挿入型の生理用品を使うユーザーは、
いざという時の知識を持ち、
「タンポンを使っている」という自己申告を忘れない
ようにしましょう。
また、あまり知られていないこととして、
黄色ブドウ球菌の毒素は一度発生してしまうと、100℃・30分間の煮沸消毒でも死滅しません。
その代わり、黄色ブドウ球菌そのものは、80℃・30分間の煮沸で死滅しますし、石鹸洗浄でも減らすことが出来ます。
こうした事実を考慮しているからなのか、世界中のユーザーが集まる月経カップ情報サイト「PutACupInIt」では、
『きちんと石鹸での手入れをしていれば、煮沸消毒は必ずしも必要ない』と言っています。
とはいえ、菌やウイルスは黄色ブドウ球菌だけではないでしょうし、煮沸消毒は定期的に実施するのが無難な気がしますよね。
でも、万が一忘れてしまっても、そこまで神経質になる必要はないと言えるかもしれません。
【TSSになった時の症状は?】
TSSは急性疾患のため、初期症状が急激に現れます。
・高熱(39度前後)
・目まい
・吐き気
・腹痛
・激しい筋肉痛
・頭痛
上の症状に引き続き
・激しい水下痢
TSSは急性疾患のため、初期症状が急激に現れます。
・高熱(39度前後)
・目まい
・吐き気
・腹痛
・激しい筋肉痛
・頭痛
上の症状に引き続き
・激しい水下痢
TSS VS 生理用品
生理用品によるTSSが有名になったのは、1980年代に起こったアメリカの事件です。
「Rely」というブランドのタンポンユーザーに、TSS患者が激増し、数十名の死者が出てしまいました。
「Rely」は市場から姿を消し、この事件がきっかけで、現代ではお馴染みとなったタンポンパッケージへの注意書きの法整備が始まったようです。
原因となったのは、「Rely」が使用していた合成繊維であり、同繊維のタンポンへの使用は禁止されました。
そこから、アメリカの月経性TSSは減少しましたが、
現在でも、リスクがゼロになったわけではありません。
ただし、世界的に見ても発症率 / 致死率は、非常に低いです。
一般的な数値としては、
発症率は10万人のうち0,03~0,5人で、全体の致死率はそのうちの8%と言われています。
この数値が「必要以上に恐れる必要はない」根拠ですが、リスクがゼロではない以上、
同時に「油断は禁物」とも言えます。
近年(発症2012年)のTSS患者だと、
「黄金の脚を持つモデル」として知られるローレン・ワッサーが有名かもしれません。
彼女はタンポンが原因のTSSで両足を失ったあと、モデルとしてのどん底から這い上がり、今でも活動を続けています。
彼女の活動信念については、2022年VOGUEの記事をどうぞ。
月経カップ VS タンポン
今まではタンポンがメインでしたが、ここからは月経カップとTSSの関係を見ていきましょう。残念ながら、月経カップはタンポンよりも遥かにユーザー数が少ないためか、発生率や致死率の参考データは存在しません。
執筆段階でわかっていることは、
・タンポンよりも発生率は低い
・月経カップでもTSS発症の実例がある
ということです。
タンポンよりも発生率が低いのは、原因のひとつである繊維が、月経カップには使われていないことが考えられます。
であるにも関わらず、月経カップでもTSSが発症するのは、
黄色ブドウ球菌の病原因子、
体の免疫学的メカニズム、
生理中の膣内環境、
などが複雑に影響しあっているから、と考えられています。
また、あるTSS患者は、「1週間月経カップを入れっぱなしにしていた」という噂もあり、
そのような非常識な使い方をしたら、TSSの発症リスクが上がるのは当然と考えられます。
いずれにせよ、タンポンや月経カップを使う上で、最も大事なのは
・装着時間を守る
・清潔な環境を保つ
というとても、シンプルな2つだけです。
装着時間の謎
★関連動画はこちら★
皆さんが使用している(あるいは、使用を考えている)月経カップは、何時間装着ですか?
8時間ですか?12時間ですか?
なんで同じ月経カップなのに、装着時間に違いがあるのでしょうか?
素材の違い?
製造行程の違い?
耐久性の優劣?
オーストラリアのように、国が8時間と設定しているところもありますが、そうした例外を除いては、
装着時間は各メーカーが決めているのが実態です。
市場を見回すと、月経カップの装着時間の基本は12時間です。
おそらく基準にあるのはタンポンの8時間で、
一般的な膣内の環境や、
素材が繊維じゃないこと、
24時間と相性が良いこと、
メーカー独自で行ったバイオテストの結果
など、様々な理由により12時間に設定されていると考えられます。
国の規制などがないにも関わらず、8時間とするメーカーが存在するのは、
法整備をしているオーストラリアを参考にしているのかもしれませんし、
「万が一のこと」を考えているのかもしれません。
例えば、10時間で体調不良の訴えが出た場合、12時間のカップと8時間のカップとでは、メーカーの評判を大きく左右することになります。
責任の所在は、前者の場合はメーカー、後者の場合はユーザーといった具合です。
法的な処置がどうなるかはわかりませんが、世の中が抱く印象が変わることは間違いないでしょう。
実際、月経カップでのTSS事例が出てしまっている以上、仕方ないかもしれませんが、
月経カップの8時間装着は魅力半減というのが私個人の感想です。
これ以上、国や法による制限がかからないように、
モラルのある使用を心がけるのがユーザーとしてのマナー
だと考えています。
TSSに強い月経カップ
黄色ブドウ球菌がつきにくいとレポートされているのは、こちらのカップ達です。これらのカップは、TPEという素材でつくられています。
レポートリンク(英語記事)が貼ってあるメルーナJAPANの記事を紹介しますので、興味のある人はご覧ください。
前述のとおり、TSSそのものが非常にレアなので必要以上に気にする必要はないと思いますが、
「念には念を!」
という人にはオススメ出来そうです。
迷走神経反射も知ろう
TSSについて予習をしたところで、もうひとつ、月経カップの説明書には記載のないことを知っておきましょう。迷走神経反射と呼ばれる、一種の脳貧血です。
何を隠そう、私妖子も経験者。
「あれ?」と思ったら、慌てずに、落ち着いて対処するようにしましょう。
恐怖心や緊張で心も体も張りつめていると、起こる可能性が高くなりますので、
深呼吸をして、リラックスすることを忘れずに。
詳細は、私の体験談を記載した、こちらの記事をご参照ください。私の体験は月経ディスクですが、月経カップでも体験者がいます。
まとめ
★TSSとは★
・カップが原因のTSSはレア
・リスクは若い層が高い
・メカニズムは不明点が多い
・カップが原因のTSSはレア
・原因は黄色ブドウ球菌がつくる毒素
・黄色ブドウ球菌そのものは常在菌・リスクは若い層が高い
・メカニズムは不明点が多い
・菌は100℃30秒で死滅、毒素は煮沸では死なない
・発症率は10万人のうち0,03~0,5人TSSに関して理解は深まりましたか?
月経カップに限った話ではなく、QOL向上には、ある程度のリスクがついて回ることも少なくありません。
「リスク」と「快適な暮らし」を常に天秤にかけて、皆さんが納得のいく方法やツールに出会えることを願っています!!
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